今回はMIMAKI様より新しく発売された新機種JV330を見学してきました。
このJV330はMIMAKIのメーカーとしての
目標「全てのお客様をMIMAKIユーザーにしたい」
という願いが詰まったプリンターです。
これまでのプリンター製造技術の結晶MIMAKI様のプロダクト史上最高の溶剤プリンターと言っても過言ではない。
そんなプリンターだと私は思います。
ピッポッパで超高画質・トラブルレス
MIMAKIさんの機械の良いところはとにかくわかりやすい使いやすいというのが私の印象です。
今回のJV330はメーカーの技術の粋を集めたフラッグシップ機。つまりは最上位機種なのですが実は今まで以上に使いやすく簡単なオペレートになっております。
・RIPは基本1クリックで印刷可能(モードにもよりますが・・・)
・プリンター本体は用紙をセットするだけ。
性能は高品質に、操作は単純に。今まで億劫だった定期的なお掃除やメンテナンス、用紙送りやヘッド調整も簡単になりました。
印刷をスタートしたら勝手にキレイに出てきてスピードも速くトラブルも少ない。
夢の機械に近づいた印象です。
事項からはこのフラッグシップ機の新しい機能を細かくご紹介いたします。
超大型なのに高精細な画質
まずは目につくのは白のボディシャープな印象でカッコイイ見た目です。インクは8色各2Lタンクで外置きです。
こんな大きな機械だとかえって小回りがきかずに大味な印刷しか出来ないように思えますが最高の溶剤プリンターは高精細な画質でしっかり小回りも聞いてくれます。
もちろん作画スピードは見た目通り高速です。
当たり前の様ですがじつはココがすごいところ。ヘッドから吐き出すインクの一粒ずつの粒の大きさをデータの段階でSMLに振り分け計算し使い分けます。そしてヘッドの往復毎にインクの吐出順と組み合わせを最適化し、さらにはヘッドのスピードや解像度ごとにインク一粒が真円になって飛び出すようにヘッドの電圧をコントロール。最後に着弾後に滲んで広がらないように3way
インテリジェントヒーターと筐体内のトップブロアーのエアフロー制御で着弾インクのドットサイズまでも制御。
目には見えてこないですがこの技術の積み重ねが高画質で超安定の印刷結果に繋がります。
・・・との事です。
発色はどうなの?
MIMAKIさんのプリンターと言えばサイン看板業界にマッチした強い赤が魅力ですがライトカラーやビビットカラーは他社より弱い印象です。
今回のインクもSS21インクとの事で擦過性の強さは言うまでもなく対候性やインクの紫外線耐性に関しての実績は多数あります。
でも発色はどうなの?くすんでないかな?
というのが正直な疑問点になると思います。
今回はあらたにカラープロファイルを見直し新しい入力プロファイルDeepColorNaturalをRIPに搭載しました。
これにより今までの深い赤だけではなくビビットなオレンジやライトグリーンの表現も可能になっただけでなくビビットなプロファイルにありがちな肌色の黄色転びを抑えて自然な肌表現も可能にしました。
同じインクでこんなに発色が違うのよ
やれば出来るんですね。
いくらプロファイルの色域が広くても繊細な色階調をコントロールできてないと人肌の自然な表現は実現できません。
この新プロファイルは色域の広さは前機種のJV300に搭載されていたものを超えておりますが、正直言って他メーカーの限界の色域には及びません。
しかしビビットなカラーの限界値は及ばずとも決して発色では引けはとっておらず。
さらにグレーや人肌はとても自然な表現を実現しております。
改善の積み重ねで材料と時間のロスを無くす
今回パッと見て他社を圧倒的に上回るスペシャルな機能は目立ってこないように思われます。
しかしJV330に込められた思い「どれだけユーザーに寄り添えるか」という事が専業でインクジェットプリンターを作り続けてきたMIMAKIのモノづくりのこだわりだと思います。
プリンターにとって一番大切な性能である「印刷トラブルが無い事」ここにMIMAKIのこだわりと技術が凝縮されております。
気付いたら早く家に帰って安心してビールを飲んでいる。
このプリンターを使うとそんな日常に変わってると思います。
基本目詰まりはしない
MIMAKI JV330は目詰まりしない。
といったら嘘になってしまいますが新採用の布ワイパーによりヘッドの目詰まりを極力防ぐので目詰まりしにくく、
たとえ作画中に目詰まりしても自動で検知して他のヘッドで目詰まり箇所を補填します。
ヘッドの目詰まりが原因で起こる時間と材料のロスをかなり減らしてくれると思います。
送りのシマ(バンディング)が出ない
印刷トラブルに多いのが「バンディング」ヘッドが動く方向に発生する通称「送りシマです」。
このバンディングはインクジェットの解像度や色域などの数値では計れない部分ですが、バンディングが出やすいか出にくいかでプリンターの評価が決まるといっても過言では無いと思います。
このバンディングの発生原因のひとつがヘッドの目詰まり。
しかしこれは前項で解決済みですね。次の原因として考えられるのが「濃度の違いによるインクの乾燥の時間のバラつき」そして「メディアの搬送エラー」なのです。
このインクの乾燥時間のバラつきですがJV330の新機能である「MWDT」とそれに付随する機能で解消されます。
その機能を全て文字で説明するととても長くなるのですが、要はヘッドの往復を高速にしてもインクの吹き付ける粒を真円に近づけ、かつインクの粒を大中小と大きさの異なる粒で吹き付けるヘッドの電圧コントロールと印刷の塗り重ねをグラデーションにして縞を防ぐ印刷方式、またヘッドの往復や個体差の影響が出にくいインクの吐出順番にまで気を配るという。細部までこだわりつくした技術の凝縮体です。この緻密な機械制御で印刷シマを軽減します。
簡単に説明しても結局長くなってしまいました。
ともかくバンディングを決してメディアのせいにしない、そんな姿勢がMIMAKIのバンディング対策から見えてくる気がします。
もう一度「決してメディアのせいにしない」
そんなMIMAKIさんだと思いますw
ヒーターと乾燥ファン
MIMAKIの特許技術である3wayインテリジェントヒーター(ヒーター制御技術)とトップブロアーのエアー制御により着弾したインクのドットサイズを制御。にじみの無い高画質を実現し同時にムラやシマを抑制します。
つまりキレイなのに早い
この高画質・高発色でトラブルが起こりにくいことはどういうことなのか?
これはつまり「キレイで早い」ってことです。
これまで各社から発売されていたインクジェットプリンター。
特に10年前くらいからカタログスペックと実際に使える画質での印刷スピードの差異が酷いケースが目立ってました。1時間48㎡の作画が売りだったプリンターも過去にありましたが実際にそのモードを使ったらシマシマで納品出来ないクオリティだったなんてこともありました・・・
しかしこのJV-330は違います。
実用可能な高速モードで1時間21㎡(8色color)しかもキレイ。
巻き取りが蛇行しにくい
印刷だけでなく巻き取り装置も印刷のクオリティを上げる重要な要素です。
従来の巻き取り装置は巻き取りのモーターが片側だけだったのに対してJV330は両側にモーターを取付けました。バンディングのもう一つの原因である「メディアの搬送トラブル」を巻き取りの両側にモーターを取付け左右同じテンションで巻き取ることで軽減しました。
これね、もっと早く出てほしかったです。
新機能XYスリッター
まず最初にこの機能をご紹介するべきなのかもですが、基本的に印刷についてハイクオリティが担保されてないとこの機能自体もかすんでしまうんですよね。
印刷後タテヨコにカットしてくれる機能です。
RIPでマークを付加するだけでマークを印刷出来ます。縦位置は手動でセットしヨコのカットはセンサーがトンボを読み込んで自動でカットしてくれます。
特にポスター印刷に効果的で印刷が終わったら仕上りサイズにカットされた印刷物が出来上がってます。
メディアチェンジャー
メディアをマシン本体に3本セットしておける機能です。女性のオペレーターも朝のうちに男性社員のかたに手伝ってもらいセットしておくと一人で簡単にメディア交換出来ちゃいます。レバーをくるくる回すだけでメディア交換出来てしまうので力の弱い方でも安心です。
クオリティをガチ比較してみた
実際にプリントした印刷物をガチ比較してみました。
JV330、JV300、M64、80650比べられる事が多い4台です。データとメディアは同じです。
スピードと画質、そして画面では分かりにくいですが発色を比較してみてください。
長く使うと圧倒的な良さがわかる
長く使うと圧倒的な良さがわかる。
JV330はそんなプリンターだと思います。
オペレーターさんなら一度は経験するインクジェット出力時のあんなトラブルこんなトラブル。
あったと思います。
それを普通だと感じてませんか?
不便さに慣れてはいけません。
JV330を長く使う事で今まで不便だったトラブルが起こらないことに気付くと思います。それがMIMAKIさんのフラッグシップ機なんでしょうね。決して派手ではありませんが最高品質が詰まってます。これが皆様から愛される”3”の冠が着くプリンターの最上位機種JV330なんですね。